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本を書く医師 Topおいしいキノコにご用心




おいしいキノコにご用心


 秋たけなわ、キノコのおいしい季節です。香りや味がよくて、よいだしが出て、食物繊維やビタミンD、亜鉛、鉄分などが豊富に含まれるキノコは、世界中で食材になってきました。

 日本では、縄文時代の遺跡からキノコの形をした土器が見つかり、今昔物語や宇治拾遺物語には、おなじみのキクラゲ、クリタケ、ヒラタケ、マイタケなどが登場します。

 気候が湿潤な日本には野生のキノコが4,000種以上生息し、いずれも風味がよいことから、鎌倉時代には大陸にキノコを輸出していました。江戸時代にはシイタケやエノキダケの人工栽培が始まっています。その栽培技術は今や世界トップレベル。まさにキノコ王国です。
           
 キノコ好きが多いからこそ、毒キノコによる中毒事故が後を絶ちません。キノコがなぜ毒を持っているのかを含め、キノコやキノコの毒に関してはわかっていないことがたくさんあります。

 安全なはずの市販のキノコですら、食べ過ぎたり古くなったものを食べたりすると中毒を起こすことがあります。傷みかけたマツタケは激しい嘔吐を招きますし、シイタケで皮膚炎が起きることもあります。

 キノコの研究が難しいのは、毒の成分がそれぞれ異なることに加えて、人間にとって有毒なキノコを平気で食べる動物もいるため、動物を使った実験結果をそのまま人間に当てはめられないからです。

 加熱しても中毒を防ぐことはできません。キノコ中毒は様子を見ているうちにみるみる悪化することがあるので、万が一、中毒を思わせる症状が現れたら、できれば吐いてから、一刻も早く診察を受けてください。種類を正確に同定して適切な処置を行えるように、食べ残りのキノコを持参します。

 気をつけなければいけないのは中毒だけではありません。アレルギー反応が起きることもあります。原因となるキノコは多数あり、マツタケは厚生労働省によりアレルギーの原因となる 「特定原材料に準ずるもの」 に指定されています。

 キノコアレルギーの症状は、目のかゆみや充血、鼻水や鼻詰まり、蕁麻疹、咳などさまざまで、激しい喘息発作が起きると呼吸困難により命に関わります。アレルギー反応に関しては、加熱することで症状が出にくくなると言われています。
       
 さて、サルノコシカケ、アガリクス、マイタケ、霊芝などのキノコは健康によい、癌に効くなどといわれ、粉末やエキスがサプリメントとして販売されています。

 確かにキノコから抽出された癌治療薬は存在しますが、大きく成長した癌には効果はなく、あくまでも抗癌剤による治療を補うために使われているのが実情です。

 広告どおりに癌が治った人もいるかもしれませんが、その陰には大金を払ったあげく何の効果もなかった人が数限りなくいて、当然ながらこの人たちの声が取り上げられることはありません。キノコは普段の食生活にもっと取り入れたい食品ではありますが、夢の特効薬ではありません。