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![]() 翻訳出版企画採用されました こんにちは。キーウィです。 企画が採用されるまでの期間はケースバイケースで、早ければ2ヵ月ぐらいで決まることもあれば、「粘りに粘って数年越しでOKをいただきました」 というブログ記事を見たこともあります。ここで紹介するのは出版社に送ってから半年ががりで通過した時の記録です。 ![]() 出版社はたいてい一年くらい先まで出版予定が入っているので、映画化が進んでいるとか、原作者が大きな賞を受賞予定であるなどの緊急性がない限り、即採用、即翻訳、即出版とはならないようです。この企画も、編集者が進行中の案件をいくつも抱えていたため途中で2カ月近く凍結されました。 採用までの流れは以下のようになります。 活動開始1年前 Amazon.com で偶然見つけて読んだ原書に感銘を受ける。 活動開始 その一年後、以前書籍翻訳をしたことがある医学系出版社に相談。「うちは臨床関係の本しか扱っていない。この内容ならノンフィクションに強い出版社に持ち込むほうがよい」 と助言を受ける。 2ヵ月後 翻訳出版企画書の作成を開始。原作者が主宰する米国の財団にメールしたところ、原作者の代理人である米国の出版エージェントを紹介してもらい、本書の日本語翻訳権が空いていることを確認できた。原作者からは 「困ったことがあれば何でも相談してください」 との言葉をもらった。 4ヵ月後 ある出版社に企画書を送付。約2週間後に返信があり、その10日後に上京して打ち合わせ。「誰に、どうやって売っていくか」 が主なテーマとなった。 5~7ヵ月後 編集者多忙のため企画凍結。 7ヵ月後 編集者が社内の企画検討会議に企画を提出。感触はよかったとのことだが、ここでもいくつかの点について、もっと詰めるよう指摘されたとのこと。 8ヵ月後 再度上京し、問題点を整理した。想定読者に関する市場調査を私が行うことで合意。 8~9ヵ月後 アンケート形式の質問票を作成し、知り合いの医療従事者らを通じて多数の回答を得た。結果を分析、整理して、4、5回に分けて編集者に報告書を送付した。また現時点での原作者の思いと希望について原作者本人に問い合わせた。この間、編集者と電話で1時間以上議論したことも。 10ヵ月後 直前にも電話とメールで打ち合わせした上で、編集者が企画検討会議に企画を再提出。採用が決定した。 ![]() この知らせを聞いたときは嬉しいというより、ほっとしたというのが正直なところでした。何とか日本に紹介したいと思っていましたし、翻訳出版を楽しみにしている原作者のために企画を通さなければという気持ちもあったからです。 編集者は引き続き日本と米国のエージェントを通じて翻訳権 (版権) を買い取るための交渉を始めます。正式な契約書を交わすまでにかかる期間は1ヵ月前後のこともあれば、さまざまな事情で1年以上かかる場合もあるようです。このときは、事前に原作者側が翻訳の話を知っていたこともあり、契約書が返送されてくるまで10日ほどでした。 |
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