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本を書く医師 Top糖質ゼロのビールでも太るって本当ですか




糖質ゼロのビールでも太るって本当ですか


 健康志向の高まりに加え、メタボリックシンドロームの早期発見を目的とした特定健診や特定保健指導が開始されたことを受けて、「糖類ゼロ」「糖質オフ」「カロリーオフ」と表示されたビールや発泡酒などの酒類をよく見かけるようになりました。

 一見、体によさそうですが、糖質ゼロ、カロリーオフでもカロリーが含まれる食品はたくさんあり、糖質ゼロと書いてあるのに糖質が含まれていて、血糖値が上がる場合さえあります。これはどういうことでしょうか。

 栄養に関する食品の表示について定めているのは、厚生労働省の健康増進法です。この法律では、完全に糖質ゼロでなくても、例えば、飲料なら100 mlあたり糖質0.5 g未満であれば「糖質ゼロ」と表示でき、カロリーが20 kcal以下であれば「カロリーオフ」と表示できることになっています。表示を簡略化するためとはいえ、少し基準が甘いのです。
           
 しかし、もっと大きな問題があります。まず上の図をご覧ください。糖質と糖類は名前が似ていても違う概念で、糖類は糖質の一部です。法律上の定義では、糖類をブドウ糖やショ糖(砂糖)などの単糖類と二糖類としており、これらが入っていなければ「無糖」と表示してよいことになっています。

 ところが、実際には、糖は単糖類と二糖類だけではありません。でんぷんやオリゴ糖、糖アルコールも糖で、栄養成分表示では糖質に分類されています。

 このうち、糖アルコールであるエリスリトールと、アスパルテームなどの合成甘味料は、カロリーもなく血糖値が上がることもありませんが、マルチトール、ソルビトール、キシリトール(すべて糖アルコール)などはカロリーがあって、血糖値もショ糖(砂糖)の半分くらい上がります。

 しかし、法律上は、これらがどれだけ入っていても糖類ゼロ=無糖と表示して構わないことになっています。無糖という言葉を過信せず、カロリーを減らしたい人は別に記載されているカロリー表示を、血糖値が気になる人は成分表示を確認するようにしてください。

 この糖類ゼロとは異なり、「糖質ゼロ」の場合は、もし完全に糖質ゼロであるなら血糖値は上がりません。しかし脂質や蛋白質は含まれていることがあるため、カロリー表示の確認はやはり必要です。

 ただ、肥満や糖尿病に関して言うと、糖の含有量より、アルコールそのものの影響の方が心配です。といっても、アルコールに含まれるカロリーによって血糖値が上がることはありませんし、このカロリーは体に蓄積しにくいと言われています。
        
 では、何が怖いのかと言うと、アルコールには食欲を増進させるとともに、内臓脂肪の蓄積を促すホルモンを分泌させる作用があるのです。また、肝臓で分解される際に中性脂肪が合成されるので、善玉コレステロールが減って、動脈硬化を招くことがわかっています。

 つまり、アルコール自体で太ることはなくても、アルコールによって太りやすくなり、生活習慣病の恐れが高まるのです。

 アルコールには、インシュリンを分泌する膵臓の細胞を破壊して、糖尿病を進行させる作用もあります。糖が気になる人は要注意です。