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本を書く医師 Topクライアントは介護福祉士候補生
                

クライアントは介護福祉士候補生


こんにちは。キーウィです。

 厚生労働省の外国人介護福祉士研修プロジェクトに関する仕事をしたことがあります。

 高齢化社会を迎えて介護分野の専門家が不足する中で、東南アジア諸国出身で資格を満たした人が日本で看護や介護の仕事に就けるようにするための制度です。ニュースでも大きく取り上げられました。
                 
 私が関わったのはフィリピンからの介護福祉士候補生の研修で、この時は介護学講義の通訳も担当しました。介護分野の第一人者の先生が講師を務められ、これを英語に通訳し、生徒からの質問を日本語で先生に伝えます。

 通訳は翻訳とは違って、じかにクライアント、この場合は講師の先生や生徒たちと接する面白さがあります。生徒といっても、フィリピン国内の大学を卒業しているので、平均すると20代半ばくらいだったでしょうか。連日の講義でお互いに大変でしたが楽しかったですね。皆、日本で雪を見るのを楽しみにしていました。

 現地の言葉、タガログ語で 「Lynette, Kumusta ka?」 と言えば 「リネット、元気でやってる?」 という意味です。候補生の皆さんは、現在、全国の介護関連施設で実地研修中で、ときどきメールで近況を知らせてくれます。実際に雪が降った時には寒さに震えあがったようです。

 順調に進めば来年の始めに実施される介護福祉士の国家試験を日本語で受け、合格すれば日本での就労ビザが得られます。そうすれば日本で介護福祉士として勤務を続けることができ、いずれは介護分野で指導的立場に付くことになります。

 しかし万が一不合格だったら即時帰国と決められています。よほどぎりぎりだった場合は特例でもう一度だけ受験できますが、条件が厳しいことに変わりありません。

 やはり、日本語の専門用語で苦労しており、これまでに合格した人たちは親の仕事の都合で子供のころに来日し、日本語に触れていた人が大部分のようです。
    
 今回の生徒さんたちは昼は介護施設で研修、夜は自室で猛勉強という生活を続けながら、受験まであと一年となりました。もう私にできることはありません。彼ら彼女らが自分の力で人生の扉をこじ開けるのを祈るばかりです。