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![]() なぜ出版翻訳に憧れるのですか こんにちは。キーウィです。 通訳として活躍している知人が、「いつかは出版翻訳をして、自分の名前が載った本が書店に並ぶのを見たい」 と言うのです。実務翻訳をしている知人も同じことを言っていました。それぞれ本業でバリバリ仕事をしている人たちなので、少なからず驚きました。 ![]() 夢や目標を持つのは素晴らしいことです。でも少し気になるのは、その理由が 「本が好きだから」 とか 「海外のすぐれた本を日本に紹介したいから」 というのではなく、「自分の名前が載った本が並ぶのを見たいから」 という点です。 自分の仕事を目に見える形にしたいということだとすれば、裏を返せば現在の仕事に何か空しさを感じているのでしょうか。 あるハリウッド女優が、大きな賞の授賞式でこうコメントしました。 「この作品が完成した時、すごく嬉しかったんです。それを思うと今回の受賞は annexed joy に過ぎません」。 annexed joy は ”おまけの上乗せ“ という意味です。演じきったことのほうが嬉しかったというのでしょう。 想像ですが、出版翻訳者らが仕事を続ける原動力もこれに似ているだろうと思います。仕事をする理由をたずねたら、翻訳するのが好きだから、達成感があるから、伝えたいことがあるから。こんな答えが返ってくるような気がします。 ![]() これとは別に、もっと割り切って考えることもできそうです。出版翻訳をきっかけに仕事の幅を広げるとか、ビジネスの機会につなげるなど、仕事をステップアップの手段にするという発想です。 動機は何でもよいのですが、やはり 「自分の名前が載った本が並ぶのを見たい」 ではちょっと弱いですね。聞いていて少し違和感を覚えました。 |
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