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本を書く医師 Top犬アレルギーを甘くみないでください




犬アレルギーを甘くみないでください


 犬を飼いたいと思っている人は多いでしょう。大型スーパーのペットコーナーで見かけた子犬が気になったり、知人が楽しそうに犬を連れているのをうらやましく感じたりして、つい衝動買いしてしまう人もいるようです。

 でも、大丈夫ですか。ご家族にアレルギー体質の人はいませんか。動物に対するアレルギーは花粉とダニに続いて第3位で、全体の約3割を占めています。鼻閉、くしゃみ、かゆみ、皮疹、頭痛、そして重い喘息発作など、動物アレルギーはとても辛いものです。

 仮にお子さんにひどいアレルギー反応が出て、犬を手放すよう先生に言われたら? 大好きな犬と別れなければいけなくなるくらいなら、始めから飼わなければよかったと後悔するのではありませんか。知人の犬と遊んで大丈夫だったから心配ない、とは言えません。動物アレルギーは2年以上たって発症することもあるからです。
            
 犬に対するアレルギーを引き起こす物質はCan f1という蛋白質で、犬の毛だけでなく、フケや唾液、尿にも含まれ、目に見えない粒子となって空気中に長期間浮遊します。毛がよく問題になるのは、フケやほこり、花粉が絡みつくためにアレルギーを特に誘発しやすいからです。

 米国では 「アレルギー患者に優しい」 犬種はあるのかという議論が起こり、米国最大の愛犬家団体が、アレルギー患者に最適と思われる犬種をいくつか推奨しました。

 基本的に毛が抜けにくく、フケの量も少なくて、あまり吠えないために唾液を飛ばさない、おとなしい小型犬です。オバマ大統領が、犬アレルギーのある娘さんのために、推奨犬種の中から犬を選んだ話をご存知の人もいるかもしれません。日本では、特にプードルがアレルギーを起こしにくいとして注目されました。

 しかし、2011年7月に新しい研究結果が発表され、残念ながら 「アレルギー患者に優しい犬種」 には科学的根拠が乏しいことがわかりました。さまざまな犬種の犬を、それぞれ一頭だけ飼っている各家庭のホコリを1ヶ月にわたって調べたところ、低アレルギー犬種でも、それ以外の犬種でも、検出されたCan f1の量に大した違いがなかったのです。

 この研究では、犬種の違いよりも、一頭一頭の差のほうが大きいことを示唆するデータも得られました。これが確認できれば、Can f1の少ない個体同士を掛け合わせて、将来的に低アレルギー性の血統を作れる可能性はあります。

 しかし現時点では、動物アレルギーのあるご家族がいる場合は、犬を飼うのはやめるべきだと言わざるを得ません。何とか耐えられそうだから飼う、というなら、相当の覚悟が必要です。もちろん、屋外で飼ってください。
   
 そのうえで、部屋の空気清浄機を常に稼働させておきます。そして犬を頻繁に入浴させて毛を洗ってください。皮膚が乾燥するとフケが増えるので、低刺激性のシャンプーを選び、皮膚の異常に気付いたら、すぐに獣医さんに連れて行きます。

 言うまでもないことですが、アレルギーのある飼い主の側は、症状がなくても定期的に診察を受けて、アレルギー治療を厳密に続ける必要があります。


*追記-読者から、「犬を手放したいのだが」 というお問い合わせをいただきました。動物保護の専門家ではないので、的確なお答えはできませんが、ネット上で 「いつでも里親募集中」 というサイトを見つけました。犬、猫を飼いたい人と、手放さざるを得ない人を仲介する掲示板のようです。ご自身の判断で参考にしてください。