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本を書く医師 Top漢方薬は甘くない その3 漢方薬の効果と限界

          
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漢方薬は甘くない その3 漢方薬の効果と限界


 「漢方薬は甘くない その2 漢方薬の課題」 に書いたように、西洋薬も漢方薬もその起源は薬草を始めとする素朴な民間薬で、両者は今も親戚関係にあります。しかし人間の体に対する考え方や治す仕組みの違いから得意分野が大きく異なります。

 西洋薬は、検査の数値や画像から病気の原因を特定した上で、重い感染症や、痛み、吐き気、下痢などの激しい症状、緊急処置を要する場合などに用いると、速やかに優れた効果を発揮します。

 これに対して漢方薬は西洋薬とは逆に、異常が検査結果に現れてこなくても不調を感じる体力低下、冷え性、めまいや耳鳴り、自律神経失調症、アレルギー性疾患、更年期障害、生活習慣病の前段階などに適しています。
                
 最大の違いは、西洋医学では診断名をつけずに薬を出してはいけないことになっているので病名に基づいて薬を選ぶのに対し、漢方薬は症状や体質を総合的に勘案して薬を決めるということです。そのため漢方では、よく似た症状の人たちにそれぞれ違う薬を出すことがあり、漢方薬を扱う人には相談者に合った薬を選び、使いこなす技術が求められます。

 また、体を温めたい、冷やしたいというときには、西洋医学では異なる薬を使いますが、漢方薬は薬効を持つ生薬を巧みに組み合わせて身体全体のバランスを整えることができるため、体が冷えていれば温め、熱ければ冷やすのを1つの薬で行うことが可能です。

 ですから西洋薬と漢方薬の長所を生かして上手く使い分け、時には併用することで西洋薬の量を減らしたり、西洋薬だけでは十分に対処できない症状を抑えたりできるのです。

 ただし西洋薬と同じく漢方薬にも限界があります。漢方治療を受けているからと言って、西洋薬による治療や、減量、禁煙、運動などの自己管理をやめてしまってはいけません。また健康診断で異常を指摘された場合は必ず病院で検査を受けてください。

 漢方薬にこだわり過ぎることなく、症状によっては西洋医学による診療をただちに受けるよう指示するのが本物の漢方専門家です。
         
         (写真:イチョウの葉もギンナンも生薬です)
 中国、韓国とは違い、日本には漢方専門の医学部や薬学部がありません。どちらが良いかは一概には言えないものの、西洋医学と漢方医学の垣根を越えて総合的な医療を行う上では、むしろ漢方専門の学部がない日本の制度の方が適しているという声もあります。

 実際、ある調査によると全国の臨床医の約90%が漢方薬を処方したことがあると回答しています。ただし漢方医学を極めるには卒業後に相当の努力が必要になるため、本当に使いこなしている医師/薬剤師は非常に少ないのが現状です。



 特別連載 「漢方薬は甘くない」 これまでの目次
  「その1 漢方薬と西洋薬」
  「その2 漢方薬の課題」
  「その3 漢方薬の効果と限界」
  「その4 漢方薬の副作用」
  「その5 好転反応は効果の証し?」
  「その6 インスタント漢方薬の時代」
  「その7 漢方の未来に望むこと」

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       医師兼著者、医学翻訳者によるオリジナル記事を掲載しています。
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