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本を書く医師 Topまつ毛が抜ける病気とまつ毛美容




まつ毛が抜ける病気とまつ毛美容

 目をぱっちり見せたい、まつ毛を伸ばしたい、くるんと上を向かせたい、と一生懸命努力しているのに、そのまつ毛がポロポロと抜け始めたらショックですよね。最近、まつ毛が抜けると訴える人が増えています。

 まつ毛が過剰に抜ける病気はいくつかあり、その代表が円形脱毛症と眼瞼炎・結膜炎です。円形脱毛症というと、頭部の丸い脱毛を考えがちですが、頭髪だけでなく、眉毛やまつ毛、ひげなども抜けるタイプの円形脱毛症があります。早期に診断し治療を始めた方が治る確率が高いので、目の症状がないのにまつ毛が抜け始めたら、すぐに皮膚科で相談してください。
        
 そして患者数が急増しているのが眼瞼炎・結膜炎です。まつ毛美容の流行に伴うもので、マスカラ(まつ毛に塗って濃く、長くみせる化粧品)や、アイプチ(接着剤で二重瞼にするもの)、まつ毛パーマ、まつ毛エクステ(接着剤で人工まつ毛をつけるもの)などが原因です。目の粘膜のそばで化学物質を使ううえに、まぶたの皮膚は薄くて、刺激に弱いからです。

 例えばアイプチやエクステの接着剤、まつ毛パーマのパーマ液が結膜や角膜に触れると、激痛を伴う強い炎症を起こします。またマスカラは、接着性があるため、一度つくとなかなか取れず、マスカラのかけらが目の表面に付着すると、まばたきするたびにこすれて角膜に無数の傷がつきます。

 まつ毛エクステも問題です。現在、日本で使われているまつ毛エクステの材料は、ほとんどが韓国製です。韓国には安全性に関する規格がないため、品質の保証がありません。人工まつ毛は、自然のまつ毛に比べて太くて硬く、重いため、人工まつ毛の重さで本来のまつ毛が根元で折れて、炎症を起こしたり、黒目にあたって傷がついたりすることがあるのです。

 また、自然のまつ毛なら、目に入っても、しばらくすれば出てきますし、違和感もすぐに消えますが、人工まつ毛は刺激が強く眼球を深く傷つけます。

 さらに、まつ毛エクステは2~4週間くらい付けておくのが普通なので、特に強い接着剤を使います。この接着剤も雑貨扱いなのでメーカーは全成分を表示する義務がなく、人体に対する安全性検査もされていません。金属成分が含まれていることも多く、金属アレルギーを起こした例も報告されています。

 こうして眼瞼炎・結膜炎が進行すると、まつ毛を支える毛根周囲組織がただれて、まつ毛が抜けてしまいます。これではまつ毛美容どころではありませんし、角膜に障害が起きれば視力低下に直結します。
   
 まつ毛が多量に抜けたり、まぶたや顔の皮膚のかぶれ、目の充血に気づいたりしたら、すぐに眼科や皮膚科を受診し、まずはしっかり治すことに努めてください。まつ毛パーマについては下の関連コラムをご覧ください。

 以下に法律の話を書いておきます。まつ毛エクステをネイルサロンが行ったり、一般の人が自宅で開業したりすることがありますが、厚労省の通達により、エクステを含むまつ毛美容は美容師免許を持った人が、認可を受けた美容所(美容院のこと)で行わなければならないことになっています。

 施術業者を慎重に選ぶのは当然ですが、それでもトラブルになってしまった場合は、すぐに地元の保健所と消費生活センターに相談してください。




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       医師兼著者、医学翻訳者によるオリジナル記事を掲載しています。
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