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本を書く医師 Top金縛りにならない人はいません




金縛りにならない人はいません


 意識ははっきりして周囲の状況もわかるのに体が動かず、助けを呼ぼうとしても声が出ない金縛り……。もちろん霊のしわざなどではありません。金縛りは睡眠中によくある生理的な現象で、発生する仕組みは科学的に解明されています。

 睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠があり、この二つがセットになったものを一単位(平均90分です)として、これを一晩に3~5回繰り返すのが通常の眠りです。

 レム睡眠は 「体の眠り」 といわれ、筋肉をゆるめて運動機能を休ませる眠りです。ですからレム睡眠の間は手足を動かしたり、寝返りを打ったりすることはありません。

 脳は活動していて、記憶の整理などの情報処理を活発にこなしています。この途中で目が覚めると、脳の中で整理していた情報を夢として思い出すと考えられています。
        
 逆にノンレム睡眠は 「脳の眠り」 といわれ、脳が休む眠りです。運動機能は起きているので寝返りを打ちます。また成長や免疫などに関するホルモンが盛んに分泌されるのもこの間です。

 金縛りはレム睡眠の最中に眠りが浅くなることで起こります。きっかけになるのは、腕や足を圧迫したとか、布団から出ていた部分が冷えたなど、わずかな環境の変化です。運動機能は眠っているので、本人は意識があるのに体が全く動かないと感じます。金縛りですね。

 実際は、誰もがレム睡眠のたびに体が動かなくなっているのですが、通常は意識がないので 「金縛り」 になっていることに気づかずに寝ているだけのことなのです。

 さて、レム睡眠では筋肉が動かないため、健康な人は夢を見ても夢に合わせて身体が動くようなことはありません。

 ところが近年、50歳以上の男性で、睡眠中に夢を見ながら夢の内容に反応して暴れたり異常行動を起こしたりする 「レム睡眠行動障害」 (RBD)という病気があることがわかりました。つまり金縛りにならずに動き回るのです。

 具体的には、就寝中に大声で笑う、布団に座って説教する、周囲のものを殴ったり蹴飛ばしたりする、部屋の中を走る、窓から飛び降りようとする、など、さまざまな異常行動が見られます。

 先ほど書いたように、レム睡眠のときは脳が活発に活動していますから、異常行動の途中で呼びかけるとすぐ目を覚まし、見ていた夢の内容を説明できるのがこの病気の特徴です。
           
 子供に起きる夢遊病 (睡眠時遊行症) と一見似ていますが、夢遊病はノンレム睡眠の間に起こります。ノンレム睡眠では脳が眠って運動機能が起きているのでしたね。

 そのため夢遊病の場合は、異常行動中に呼びかけてもなかなか目が覚めず、起きた後も何もわかっていないという大きな違いがあります。

 夢遊病は脳の一部が十分発達していないことが原因なので、通常は成長するにつれておさまります。これに対してRBDはパーキンソン病などの神経変性疾患や認知症の前段階である可能性が指摘されています。




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       医師兼著者、医学翻訳者によるオリジナル記事を掲載しています。
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