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本を書く医師 Top小春日和と麦の秋
                

小春日和と麦の秋


こんにちは。キーウィです。


 厳しい冷え込みが続いていても、2月に入ると明らかに日差しがまぶしくなります。ガラス越しの室内や車内は温室のような暖かさ。つい口をついて出そうになるのが 「小春日和だね」 という言葉。でも、これは間違い。

 小春日和とは、春ではないのに春のような気候ということで、晩秋から初冬にかけて使う言葉です。秋が深まって冬の足音が近づく時期に、穏やかに晴れた日が続くことがありますね。小春は陰暦10月の別名で、現在の暦ではだいたい11月ですから、使うなら12月初めくらいまでです。
           
 この気候を英語、特に米語ではインディアンサマー (Indian summer) と呼び、英国BBCのサイトによると、1778年の時点で既に広く使われていたそうです。

 米国東海岸のニューイングランド地方周辺は、夏は蒸し暑いものの、冬に入る前に穏やかな秋晴れの日が続きます。そのため、当時のアメリカ先住民、いわゆるインディアンが、長い冬に備えてこの時期に収穫物を蓄えたことが起源と言われています。

 最近はインディアンという言葉を差別的とする風潮があり、日本でも、ある出版社が書籍の著者に書き換えを迫ったというニュースが流れました。ただし米国で行われたアンケートによると、アメリカ先住民の約半数が、「インディアン」 または 「アメリカ・インディアン」 と呼んでほしいと望んでいるそうです。

 また、編集者、物語研究家、翻訳家の北山耕平氏は。ブログ記事Native Heart に、「わたしはこれまでただの一度も自らを 「ネイティブ・アメリカン」 と名乗る 「インディアン」 と会ったことがない」 と書いています。
    
 小春日和と同じように、実際とは異なる季節の呼称が入る言葉に 「竹の秋」 や「麦秋、麦の秋」 があります。竹の葉は5月から6月の始めに黄色くなって、青空を背景にはらはら舞い落ちます。街なかでも見かけることがあり、実に壮観で見とれてしまいます。

 麦もそうですね。品種によりますが、一般的に日本で栽培する麦は秋にまいて5~6月に黄金色に実ります。新緑の中で麦畑だけが黄色く広がる光景もまた印象的です。これが麦秋、麦の秋で、2000年以上前から存在するとされる美しい言葉です。