「本を書く医師」が医学情報をわかりやすく伝えます



 超訳 養生訓へのリンク
現代に生きる養生哲学書 健康が幸福の基盤になる


 日本人の「遺伝子」へのリンク
病気の遺伝子を封じ込め 健康な遺伝子を作るには


 日本人の病気と食の歴史へのリンク
健康長寿を目指し続けた 日本人1万年の集合知


 胃腸を最速で強くするへのリンク
めくるめく消化管の世界 胃腸を知って健康に!


 長寿の習慣へのリンク
健康長寿は自分で作る  百活は「4つの習慣」から


 内臓脂肪を最速で落とすへのリンク
おなかの脂肪は落とせる!結果の出る減量法


 日本人の健康法へのリンク
もう騙されない!    健康情報の見分けかた


 日本人の体質へのリンク
Amazon本総合1位!  日本人のための健康法は



本を書く医師 Topどうしてペーパーバックが読めないの
                

どうしてペーパーバックが読めないの


こんにちは。キーウィです。

 英語を話していて、とっさに単語が出てこなかった経験はありませんか。頭では分かっていて、「次は何とかしてやろう」 という向上心があれば、回を重ねるうちに口からスムースに出てくるようになります。

 問題は単語自体を知らない場合です。海外の料理学校に入学したいなら、ネイティブの新入生が知っている単語や表現が同じように身についていなければ講義についていけませんし、英字新聞を読もうとしても、その新聞の読者が最低限持っている言語学的知識が備わっていなければ歯が立ちません。
              
 一般的な日本人の英語の語彙力は3000語から5000語で、大学入試の英語の二次試験では8000語から12000語が必要と言われています。そして語彙が5000語もあれば一般向けのペーパーバックに登場する単語全体の約90%を知っている計算になるそうです。

 ......え? そうなの? じゃあどうしてペーパーバックをすらすら読めないんだろう?

 それは、この90%という数字は、単語の数全体に占める割合だからです。たいていの文章には the、of、and、to、that などの機能語、すなわち、それ自体は意味を持たない単語が多数含まれています。そしてその一方で、内容の鍵を握る名詞や動詞などの内容語は比較的難易度の高い単語が多く、こちらが残り10%に集中的に入っています。

 その結果、肝心の内容語がわからないので文章をなかなか理解できません。同じことは会話にも言えます。くつろいだ日常会話ならともかく、仕事となると、内容語である名詞や動詞を正確に知っていることが決定的に重要です。

 とっさに複雑な文を作れなくても、自分の意図にぴったりはまる単語を知っていれば、必ず相手に伝わり、話題の核心にずばりと切り込むことができます。この逆に、内容語を知らなければ、どんなにペラペラ話せても曖昧な物言いに終始するしかありません。
       
 新聞の読解に話を戻すと、平均的な日本人の日本語の語彙は2万語前後とされています。ですから、英字新聞やペーパーバック、さらにはTIMEやNewsweekなどの雑誌を読む際にも、おそらくは同程度の語彙力が求められると考えるのが自然でしょう。

 ときどき、日本人はあんなに英語を勉強してもまともに意見も言えないし、問い合わせのメール一本書けない、これは受験勉強の弊害だ、単語の暗記なんて時間の無駄だったんだなどと言う人がいますが、そうではありません。真実は、受験勉強ぐらいの語彙力では全然足りないということなのです。